2014年01月04日

ゼロ・グラビティ

gravity


1日は何の日だ?映画の日だ!ということで、元日からついった、Fbで「すげぇ!」と話題のゼロ・グラビティを見てきました。チャリ圏内の映画館だと3Dは吹き替えしかやってなかったので、友人誘って車で30分位かかるかほくイオンまで。お客さんいっぱいで賑やかな雰囲気。

見た感想。面白かったです。さすがアカデミー賞本命と言われるだけある。確かに3Dで見るべき。僕がグッと来たポイントは3点。タイトル、ジョージ・クルーニーのキャラクター、グッと抑えた演出の豊かさ。それらを一言で言うと「すっげぇ!」という感想になる。映像はもちろんすっげぇんです。でも、それだけじゃない。宇宙空間のリアリティの凄さやこなれた3D表現もちろん凄いし、見えるけど届かない無重力空間は本気でコワイのに、それ以上にお話や構成が凄いと思いました。

以下ネタバレあり注意。

まず、タイトルについて。邦題ゼロ・グラビティ。オリジナルだとGRAVITYみたいです。無重力と重力で、タイトル的には真逆。映画の内容で言うと、ゼロ・グラビティ=無重力の時間が95%。だから、説明的なタイトルとしては邦題のほうがシックリくる。でもオリジナルはGRAVITY=重力。ラスト、地上に降り立ったサンドラ・ブロックの、筋力低下して自重を支えるので精一杯のあのワンカット、フワフワした生き方を捨て、一人の人間として辛い過去に向き合い、それでも未来を志向する一人の人間を描くあのワンカットを撮りたかったんだよ、というタイトル。そういう意味で、オチのあり方としては、トゥルーマン・ショーと似てる。非常に文学的というか、お手本のようなテーマ。そのテーマを重視すると、宇宙空間にフォーカスした邦題は、良いタイトルではあると思うけど、若干のチャラさを感じました。

次に、ジョージ・クルーニーのキャラクター。爽やか!超カッコイイ。2014年現在、あんな人間でも宇宙に行けるんだろうか。毛利さん的な、宇宙的な好人物じゃなくて、非常に地上臭い好人物。喋り続けてて、一見モテそうなチャラいおっさんなんだけど、話してる内容は常に前向き。だから、主人公が迷わなくて済む。正解を常に指し示してくれるから、純粋にパニックを連続させることが出来る。結果、物語が非常にタイト。91分とはとても思えない事件量。ポセイドン・アドベンチャーとかだと、事件を演出するのに仲間割れがあったりヒロイズムをぐわっと拡大したりしないといけなかったわけで。パニック映画の進化を感じます。わーーーかっけぇ!どうやったらあんなキャラクター思いつくんだろ。

キャラクターで言うと、ダークナイトだったかで出てきた、バットマンのオヤジ。ミスターパーフェクト。彼を思い出した。「そこはあんまり語りたいとこじゃないから葛藤とかさせてる暇無いんだよね」感。まぁ葛藤しない人間は大体死ぬことになるんだけどさ。物語に必要ないからね。無理に生かすと全部そいつにやらせりゃ良いじゃんになっちゃう。出来杉みたいな立ち位置というか。そのミスターパーフェクトにどういう役割をさせるかというのは、脚本家の腕の見せどころの一つだと思う。

最後に、グっと抑えた演出の豊かさ。登場人物二人。死者は結構たくさんだけど、でも10人以下。多分だけど、歌付きの曲が一曲もない。アルマゲドンと比較してみると雲泥の差。なんなのこの余裕... 監督どんだけ鋼の心臓なんだ。こんだけの映像使って、緻密な脚本書いて、なんであそこで「本当に椅子の下に酒瓶がある」という演出を挟まなかったのだ。待つ家族を描かないのだ。描きたいものに対して一切無駄がないのは分かるんだけど、その描きたい物が何だったんだろうかと思う。「機能を追加するには技術が必要だが、機能を減らすには哲学が必要だ」みたいな事をjobsさんが仰っていたようですが、この監督の哲学は何だったんだろうと。テーマなのか、宇宙の映像表現なのか。なんとなく、映像のような気がするんだけど。もしくは宇宙そのものとかか。


感想以上。なんだろ。個人的に、高度すぎて訳わからん!と思いました。インセプションとはまた違ったハイテクストーリー。インセプションの場合は、なんであんな複雑な物語をよどみなく理解させる事が出来るのか!?!?という訳わからなさだったけど、この映画は何でここまでタイトに徹することができるの??自腹で撮ってんの???という訳分からなさ。と、ジョージ・クルーニーのキャラクターはどうやったら思いつくの!??という分からなさ。高度。監督のインタビューとか見てみよう。

そういう、映像的にもストーリー的にも「技術の塊」みたいな映画だったのですが、だからこそ、見る人の人生に決定的な一石を投じる説得力みたいなものは、若干乏しい感じもしました。美しすぎるし上品過ぎる。全然面白いし好きだけど、あえて言うならね。でも、そんなのは割とどうでも良い気がする。だって明らかに、僕は91分間夢中になれたんだし。



sarustar at 03:01│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote レビュー 




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