緑のブログの切込隊長でお馴染みやまもといちろうさんと、IT業界きっての知識人楠正憲さんの対談記事を読んでみて、ちょっと引っ掛かるところがあったのでさらっと書いておこうかなと。記事は下記。ん?と引っ掛かったところ以外はなるほどーと興味深く読みました。前編から読むともっと良いですよ。あ、やまもといちろうさんテクノカット辞めたんですね。好きだったんだけどナー
欲求とリスクを知って壁を越えろ〜やまもといちろう×楠正憲「ネット業界“ソーシャルの次”を本気で考える」(後編)
引っ掛かったのは、『ネットでパワーを持つサービスは「知りたい」か「伝える」を解決している』というブロック。このタイトルで小さな違和感があって、まずの例としてGoogleが上げられたとこで、ちょっと気を付けて読もう、という気になって、「(楠さんが過去手がけたサービスが)今でいうSNSと違うのはタイムラインがなかったことくらい。」というところで、「なんか違う!」という気がしました。
僕はネットサービスにおける「タイムライン」をすごく重要視しています。「PHP+MySQLでタイムラインを作る!」って本があったら4000円は出すね。常に更新される情報から得られる刺激。それは「知りたい!」という能動的な欲求じゃなくて、暇な時になんとなくテレビを付けるような類のもの。映像は根本的に時間(タイム)を内包しており掲示板はまさしくタイムライン。タイムラインを生んだから、ネットはテレビの代わりになれたのだと思います。
twitterのタイムライン、あれは要は即応性高いRSSリーダーと同じで「ソース元と時間を基準にした情報の連なり」なんだけど、Facebookはその中でも情報の重み付けを機械的にやったりして、若干手を加えたタイムラインを作ってる。「このポストは表示しない」とかも出来るし、リスト機能や購読機能でタイムラインをカスタム出来る。フォロー関係のみに依存しないタイムライン作り。tumblrはタイムラインから人要素を極力廃して、「趣味、趣向」に特化したタイムラインを生み、さらにリブログという発明でそれらをシャッフルした見事なタイムラインを作ています。
他にも、新しいとこで言えばSumallyは「持っているもの、欲しい物」という意味に特化したタイムラインを作ろうとしてる(フォルダ分けはアーカイブ機能で、あれは知りたい伝えたい欲求に依存してる)し、Amazonの「これを買った人はこれを買っています」も、そういう意味付がされたタイムラインの亜種と言えます。いいね!もRTもReblogもタイムラインを楽しむツールで、それは「知りたい欲求」にも「伝えたい欲求」にも依存していない。mixiとFacebookの比較をするまでもなく、最近のSNS的なサービスはみな、「美味しいタイムラインをどう作っているか」という視点で見る必要があると思っていて、「くらい」と言える軽さではないと思うです。
「知りたい欲求」「伝えたい欲求」というのがインターネットの本質だとしたら、僕はこのタイムライン機能というのは、SNSにおける「タレ」「旨味成分」だと思っています。旨味がなかったら、いくら本質が充実していようと、普及することはないんでないかなーと。Googleは本質を追求するサービスがベースだから、タレが重要なSNSサービスがいまいちヘタクソなんだと。「名刺交換サービスが失敗したのは知りたい欲求も伝えたい欲求も中途半端にしか満たさなかったから」と書いてますが、この認識だと次のサービスもきっとポシャると思う。かも。あわわ。
で。この、タレとかいう話を、この間ブスラジでベシャりました。お時間とご興味のある方どうぞ。タレの話は後半35分くらい?真ん中より過ぎた辺りです。
デブだから飯の話するhttp://busaikuradio.tumblr.com/post/33301236618/2012-10-10-2012-9-21-3