darkknightrises

映画の日ということで、つい先日公開したダークナイト・ライジング見てきました。兎にも角にもアン・ハサウェイかわいい。美人の持つ説得力。CGとタメを張る生身の人間。あのタレ目の下半身直結のエロっぷりと、その癖やたら強い眼力を兼ね備えた、エクスキューズ不要の美人アイコン。何あのスタイルパネェ。まーー素晴らしい。ということで、以下ガッツリネタバレします。忘れないうちに感じたこと色々書くので、たぶんとっちらかった感じになるかなと。あしからず。

---------------------------------------------------ここからネタバレ---------------------------------------------------

ダークナイトライジング。面白かったです。はい。でも、すごーく面白くはなかった。僕基準でダークナイト三部作に点数つけるなら、バットマン・ビギンズ86点、ダークナイト93点、ダークナイト・ライジング71点って感じかなぁ。平均83点は素晴らしいです。ターミネーター三部作と似た感じの山の描き方ですね。マトリックスは1が一番面白かった。

影の軍団がダメなんだと思うの。因縁が必要だったんだろうか。影の軍団が出てくると、そのネーミングのダサさというか、存在の胡散臭さがどうしても出ちゃう。その胡散臭さを封じ込めるため、「ゴッサム・シティ」という「演出とハッタリ」を見事に成立させていたのだけど、影の軍団は異境だからね。白人にはいざしらず我々アジア人にとっては、演出とハッタリの効きがイマイチ悪い。例えばアレが北欧とかロシアとかだったら、影の軍団にも説得力を感じたのかもだけど、まぁ白人にとってアジアってのは、いまだにそういう場所ってことなんでしょう。あぁ腹が立つw 比較するのはモナコ?かな?あのリゾート地。あそこは要は、アメリカ人にとって「演出とハッタリ」の効かない外地なわけです。だからこそウェインが自然体でいられる。

三部作で言うと、2作目のダークナイトのみが、ゴッサムだけで完結するお話だったわけで、だからこそお話が大変シャープ。重ねて、バットマンである理由も、バットマンを終わらせる理由も必要なく、つまりは説明不要のもっとも好き勝手出来るパートだったとも言える。だからこそ、ジョーカーことヒース・レジャーが大暴れし続けられたんだろうなぁ。マトリックスで第二部が一番バトルシーン満載だったのと一緒。

次に。ダークナイト・ライジングは宿命的に、「伝説が、壮絶に、終わる」必要があった映画になってた。要はハズレが許されなかった映画。そんな映画をどうとり捌くかというポイントをいくつか見つけたように思うので、その事について書いてみようと思う。

まずひとつに、VFXの精度をクソ上げること。考える隙をなくす刺激の連続。次に、すっげー美人を動かすこと。CG使うのと同じ。圧倒的な説得力。ここで美人を引き立てるために、前2作では敢えて美人を封印してたんじゃないかとすら。それからファンサービス。ロビンにキャット・ウーマンにスケアクロウw 最後に物量作戦ね。山ほどのタンブラー。この物量作戦というのはいかにもアメリカ的な方法論ですね。ここら辺、マトリックスと同じ。

そういうお楽しみをふんだんに盛り込んで、前2作で見事築き上げた「素晴らしい映画」評を背景に、ハズれさせないよう守り堅めにしつつメッセージをねじ込むというのは、最近のワンピースでもやっていることで。つまりは、資本の集中の問題。「世界の富の99%は、わずか1%の人間が持っている」みたいなやつね。若干唐突感あったけど、ぶっちゃけ見ててカタルシスはあった。リーマンブラザーズ以降のアメリカのホットトピックの一つなんだろうなと思う。もしくは、白人カルチャーで地位を手に入れた人間が関心を寄せるべき物の一つというか。「震えて眠れ」って意味では、キーチvsと同じメッセージなんだよね、そういえば。

で。

ちょっと横道にそれるけど、上に書いた物量作戦等の「アメリカ的な手法」っていうのは、とーーーーぜん今に始まったことじゃないし、それはそれで僕は好きなんだけども、今回はちょっと居心地悪かったところがあるます。最近キーチvs読んだってことと、映画見る時後ろの席に座ってた白人4人組がやたらうるさかったのとも関係あると思うのだけどね。でも一番ひっかかったのは、映画のオチが「中性子爆弾」、つまり原爆だったってこと。あいつらにとって原爆ってのは、あくまでも遠くで爆発するものなんだよなぁ。普段意識することはないのだけど、そういう余裕をまざまざと見せつけられるとやっぱり、「お前たちはそれを俺たちの頭の上で2回爆発させたんだ」って思っちゃう。

ラストの描写、もし若干の配慮?誠意?良心?みたいなものがあれば、ARMSを踏まえて欲しかったなぁと思う。深海に沈めてくれよ。予言しておくけど、ワンピースではいつか原子力みたいなものについて語ると思うよ。日本人が語らなきゃそこは。「伝説は、壮絶に、終わる」って、原爆大爆発で終わるって事だったんだねってのは、ちょっと残念だった。

その「アメリカー!」って感じは、バットマン自身のキャラクター設定にも当然繋がってる。前回書いたけど、ヒーロー物はその文化が持つ価値観のシュミレーターなわけで。3部作を通じて何度も訴えられていた、「俺はヒーローじゃない」って台詞。世界の警察と言われていたアメリカはもういない。自分たちの作った兵器が自分たちを襲う。その兵器は当然他国に深い傷をつけてんだけどねまぁそれはあえて良いとしてさ。なんというか、強いなぁ。アメリカ。つくづく恐るべき人間の国a.k.a沈黙の艦隊だなぁと思う。我を通して傷ついて超回復してたくましくなって行ってるなぁと思うよ。くそ。

というわけでダークナイト・ライジング。色々書いたけど。ちゃんと面白かったです。前作ダークナイトのような奇跡的な面白さは無かったけど、良いんですよそれは。ただ、これを無批判でおもしろーい!って言っちゃうのは、やっぱりなんか違う感じがしたかなぁ。アン・ハサウェイは無批判でかわいかった。かわいいは正義か、まったく。