BECK AT LAST Volume33 1/3 (KCデラックス)BECK AT LAST Volume33 1/3 (KCデラックス)
著者:ハロルド作石
販売元:講談社
発売日:2008-10-17
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一年ほど前、BECK映画化についてケチョンケチョンに書いたので、その責任を果たすべく
映画館まで行ってきました。道連れは当然micchi_d。面白そうな映画なら女の子と行くわいね。
9割方クソ映画なので、せめてダメージ減らそうとレイトショーを選ぶも、上映時間は2時間半。
少しでも空いてる席にと二階席を選ぶも、左右にきっちり人がいる。逃げ場は無い。

とはいえね。映画なんですよ。映画館なんですよ。CMが始まり照明が落ちれば、気分は上がるんです。
9割方クソだと思いつつ、1割は信じてたんです。「ボロカス言ってすいません!」と
全方位土下座をかます事が出来るんじゃないだろうかと。そんな土下座なら大歓迎。

でも。

ダメでした。

9割覚悟していた僕ですら打ちのめされるダメっぷり。

もうね、映画にというか、物語になってなかったんだよね。ダイジェスト。順番に説明してるだけ。
ほら、つまらない話のテンプレとして、「朝起きてーご飯食べてーお化粧してー表参道行ってー
ワンピース買ってーカフェでお茶してー……」ってのがあるじゃん。そういうのが2時間半続く地獄絵図。
しかもその切り取り方が「バカ女から見たオトコの友情」って感じ。あーだからか。
それで感情移入のしどころが分からなかったんだ。納得。

もっとこうさ、BECKの良さ、ドライで熱い人間関係の感じとか、覚悟を決めた時の感じとか、
そういう「左ハンドルを維持する」ためじゃない、「生きる事と死ぬ事を真剣に考えた」感じを出してくれればなぁ。
いや、それは期待しすぎか。せめて、映画然としててくれたらなぁ。腹立てる事は出来たんだけど。
なんか腹も立たない。どうしてこうなったとしか。堤監督ってそんな人だったなかなぁ。

もう堤監督に期待するのはやめようかな。二十世紀少年もひどかったし。
「大会社の威信をかけたプロジェクトムービーを、利害関係調整しつつ軟着陸させる事の出来る立派な監督」って
そんなたくさんいるわけでもないしね。十分だよ。このご時世、プロダクションの副社長ってのも大変そうだし。
でもそういう人に、この漫画を描いて欲しくは無かったなぁ。ひょっとして壮大な皮肉?分かりにくいよ、監督。

LFLの社長みたいな人が監督して、諸角ヨシトみたいな人が主演して、
ベルアームみたいな宣伝して、豆タンクどもが感動する、ハッピー☆三国志みたいな映画版BECK。
もしこれを読んでくれてる方が、こんだけ言っても見に行くヒネクレ野郎なら、笑いたいところで笑うべき。
どーせ、上からコーラぶっ掛けてくる気合の入った娘っ子は、こんな映画見に来ないんだから。


とはいえ、やはり映画は映画。クソならクソで、話題になるから面白い。
そこがファミレスで、相手が話の合う奴ならなおさらです。ということで、micchi_dとの
ファミレスでのいつもの感じを録音してみました。「ええ、ええ」って言ってるのが俺です。
お暇な方はお聞き下さい。ここまで読んで共感できた人は面白いと思います。
ネタバレもあるから、期待して見に行く人はヤメトキナー

100908_beck.mp3
(36.8MB)